伝心 / 一本義

でんしん/いっぽんぎ

福井県 株式会社一本義久保本店

福井県勝山市沢町1丁目3-1

一本義久保本店の歴史と由来

初代の直蔵より、農業を中心として林業・生糸業・機業などで生計を立ててきた久保家でしたが、明治35年、隣家の酒造家が廃業されるということで、 5代目当主の仁吉が酒蔵・道具一式を買い受け、酒造業を興しました。 当初の酒銘は、地籍(福井懸大野郡勝山町澤)に由来するとともに、白山の伏流水による豊かな湧き水を象徴した「井」を併せ、「澤乃井」としました。 しかし、この酒銘を長らく名乗り続けることはできませんでした。 当時の家業の中核であった機業製品の出荷と合わせて、横浜へ酒を持参した際に、東京にこの時すでに百年以上前から同銘を使われている酒造元があったことを知るのです。 その帰りの汽車中、たまたま隣り合ったのは同郷勝山の屈指の素封家といわれた笠松家のご当主でした。 酒銘を再考する必要があることを話すと、「それならば、うちが昔殿様から拝命した酒銘を受け継いだらどうか」と、 勝山藩小笠原家の御用酒銘であった「一本義」を譲り受けることになったのです。 一本義は、禅語「第一義諦」に由来し、それは「最高の真理、優れた悟りの知恵を極めた境地」を意味します。

2019年1月21日に「一本義久保本店」へ蔵見学へ行って参りました。見学した後、見て感じたものをまとめました。
  • 熟成にこだわる
  • お酒の種類に適した熟成方法
  • 設備投資を惜しまない
  • 設備のアイディアが豊富
  • 機械も自家製
  • 熟成は洞窟でもしている
  • その洞窟はスケール感が半端ない石切採掘所跡
  • 蔵の中は清潔感に溢れている
  • 蔵の中にある井戸から湧き出る伏流水はやや硬水
  • ラベル張りは極秘技法
  • 地元の水、米にこだわる
  • 伝心は時代によって変わって行く
  • 一方、一本義は地元に根ざした味
  • 本当は雪深い場所
  • 社長が熱くてカッコいい
貯蔵、熟成について

出来上がったお酒は冷蔵コンテナやサーマルタンクなどで徹底管理するほかに、 福井市内にある足羽山(あすわやま)の麓にある 「笏谷石(しゃくだにいし)」と呼ばれる凝灰岩を採掘していた跡地を使用した洞窟にて、 古いものだと30年物のお酒が瓶貯蔵さています。

地元に根差したお酒。代に渡って伝わる味。福井の味「一本義」

「一本義」は、以来百有余年に亘り、福井の食生活の中で育まれ、昭和の始め頃より福井県内の酒造家としては製造・販売高ともにトップブランドに成長します。 食材の宝庫であり、素材の素直な味わいを大切にするといわれる福井の食文化。 こうした背景のもと、一本義は「キレ味の良さ」を酒造りの身上としています。 日本酒は食中酒であり、食と共にあってなお食も酒も花開く。 舌の上でいつまでも余韻が残る酒ではなく、流れ消えるような後口のキレの良さを、高級酒から定番酒まですべての酒に共通して大切にしている銘柄です。

五感に訴える酒。面白いことを思いついたり、技術的に新しいことを取り入れる、変わりゆく「伝心」

平成に入り、酒の級別制度が廃止された頃、一本義久保本店は全国有数の酒米産地に所在する酒蔵として、 できうる最良の酒造りを具現化するため、「一本義」とは別に、新たな限定流通ブランドを立ち上げます。 地元の契約栽培農家と共に「酒造りは米づくりから、米作りは土壌づくりから」を合言葉とし、「五百万石」・「山田錦」・「越の雫」という3種類の酒米を育て、 通年4種、限定1種、季節4種の酒を醸しています。 人が面と向かい、話し合うだけでは心を通い合わせることができないとき酒が一滴の魔法となって心を伝え、和を結ぶことができる。 日本人がはるか昔から大切に育んできたそんな知恵をもとに、新たに立ち上げたブランドには、「伝心」と銘を付けました。

一本義久保本店 一本義久保本店

2019.01.一本義久保本店蔵訪問

        

一本義久保本店

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