伊平屋酒造所の創業は1948年。当初は島の人たちによる酒造組合として設立されました。今も伝統的な製法にこだわり、昔から親しまれてきた味を変えないよう丁寧な泡盛づくりが行われています。島の北部には天照大神が隠れたとされる伝説の岩「クマヤ洞窟」があり、同酒造所の主要銘柄「照島」は、その「照」の字と、設立当初の麹職人・島袋氏の名から一文字もらっての命名したそうです。また樹齢約280年といわれる島のシンボル「念頭平松」に由来する泡盛『平松ロック』も長年にわたって親しまれています。
以前は、タイ米を原料にした泡盛のみをつくっていましたが、数年ほど前からは島で栽培された米を使った泡盛にも着手しています。山が多く清らかな湧き水にも恵まれた伊平屋島は、古くから米作りが盛んで、今もその生産量は県内トップクラス。その島の米「伊平屋米(てるしの米)」での泡盛づくりは島の人々にも喜ばれています。また、古酒づくりにも力を入れていています。
現在、出荷量の8割は島内で消費され、豊年祭などの地域のお祭りや祭祀には欠かせない存在。現在1400人ほどが暮らし、人と人の距離が近いこの島では、泡盛の味が変わると愛飲している人からの指摘がすぐに酒造所に届くのだそう。そんな事情もあって、泡盛の味を左右する麹づくりには、特に細心の注意を払って作業をしているということです。
伊平屋島は、沖縄本島より北に約41kmに位置する細長い島で、山地が島内の大半を占めている。沖縄県の有人島で最も北に位置している。年間を通じて安定した亜熱帯海洋気候で、水産業・農業を基幹産業としています。近年、旅行ニーズの多様化で島の手付かずの自然・歴史文化への評価が高まり、マリンレジャーを中心とした観光地としても急速に脚光を浴びています。
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