Bunraku
Reborn

ぶんらく りぼーん

埼玉県 北西酒造

埼玉県上尾市上町2丁目5番5号

北西酒造のお酒について

北西酒造の5代目蔵元北西隆一郎社長は37歳と若く、従業員も30歳前後の方が中心としたとてもフレッシュな編成である。しかし創業は1894年(明治27年)と古く、同じ上尾市内の平塚と呼ばれる場所に始まったが、良い水が出る現在の上尾市上町へ移転したそうだ。以前は本醸造中心のストロングスタイル路線であったが、北西隆一郎氏の代から醸造スタイルを徐々に変え、現在の少量仕込みへと転換するのである。


埼玉県では現在32の酒蔵が存在するが、水系は利根川水系と荒川水系のふたつに分かれ、北西酒造は荒川水系に位置する。弊社取扱の神亀酒造もこちらの荒川水系になるそうだ。水質は弱硬水で、お酒の発酵に必要なミネラル分を豊富に含み、数値上は酒造りの盛んな京都や広島と遜色のない結果を得ている。また着色の原因になる成分も極めて少なく、酒造りに適した土地だそうだ。


使用される酒米は、全国から広く仕入れていると言う。これは、昨今の異常気象による災害からお米の調達に影響が出ないようリスクヘッジの意図があるのと、「どういったお酒を作りたいか」と、酒質を前提とした逆算から、適した酒米を選択していることにあるそうだ。つまり、原料や工程から出来上がりを待つのではなく、信念のある「コンセプト」ありきのお酒であることが伺える。ちなみに埼玉県産の酒米「酒武蔵」はそのコンセプトに合わない性質のため、使用していないとのこと。

「Bunraku Reborn」

このお酒のコンセプトは「酸」。近年では使用する蔵が増えてきた白麹(通常の日本酒は黄麹)が作り出す酸味を特徴とするお酒であるが、なぜこのようなお酒を作るきっかけとなったとのかというと、若手チームが飲みに友人などと行くと、レモンサワーを飲む人が多いことから、レモンサワーに変わるお酒を作りたいという思いからスタートしたそうだ。


つまり、酒母室のところで触れたが、「Bunraku Reborn」の大きな特徴である、白麹を用いることでクエン酸が多く生成される。そして、小川酵母で程よい香りと余計な酸は出さないことにより、結果としてレモンのような爽やかな酸味が表現でき、檸檬のような酸味を特徴としたお酒が生まれるのである。


さらにはラベルもポップなデザインを心がけ、まず手にして貰えるよう工夫しているそうだ。同世代の人にもっと日本酒を飲んでもらいたいという思いからレモンのような酒質。確かにヤングはレモンサワー率高いかもしれないが、自分のようなミドルやもっと年配の人もレモンサワーを飲む印象がある。決してヤング受けには限らない酒質なのが、「Bunraku Reborn」ではないかと思うし、きっと幅広い層に受け入れらるだろう。


ちなみに「Bunraku Reborn」のラベルは、右斜め上に切り抜ぬいた部分があるのだが、これは「右肩上がりに進化する」意味と、北西酒造の「北」と上尾の「上」の字をデザインしたもので、最近新しくしたコーポレート・ロゴにも同様のデザインがされている。 角丸はレモン(酸)をイメージした形となっている。

        

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