桝田酒造店の銘酒「満寿泉」。富山の旬の幸とともに味わえるようこだわって造られる酒は県内外で多くの人に愛されています。和風建物の佇まいが、岩瀬町の持つ街並みの雰囲気の魅力をさらに引き出しています。この美しい町並みの再生は、とてつもなく大きなプロジェクトであり、桝田酒造店の五代目当主である桝田隆一郎さんが、富山を代表する吟醸酒「満寿泉」を通じて、世界への進出や酒のジャンルを超えたコラボレーション、そして新しい酒作りに力を入れています。この小さな港町が、いまなぜこれほどまでに魅力を放っているのか、その想いがお酒を通して伝わることを願っています。

岩瀬町は、富山市に位置する美しい港町です。江戸時代初期から日本海を行き来する北前船の港町として栄えてきました。土蔵や廻船問屋が建ち並ぶ大町通りや海が見える美しい街並みは散策にぴったりです。川岸を背に明治期に建てられた家屋が多く残っており、当時の趣のある雰囲気を存分に楽しめます。最近は、廻船問屋の土蔵をリノベーションしたギャラリーや食品セレクトショップ、ビールパブ、日本酒バー、レストランなど新しいお店が続々オープンし、注目のスポットとなっています。岩瀬は白えび漁の本場でもあり、新鮮な白えび料理が味わえるお店も点在しています。港町岩瀬へは、富山駅北の富岩運河環水公園から運行している富岩水上ラインまたは富山駅からの路面電車での移動がおススメです。

桝田酒造店は、美味しいものを食べている人しか美味しい酒は造れないと考えています。彼らは「美味求眞」をもう一つのモットーとして掲げています。富山は海の幸と山の幸に恵まれており、舌が肥えていることは当然です。 日本酒も新鮮な素材を活かすことが求められます。立山連峰からの膨大な雪解水が富山湾に注ぎ込み、富山ならではの甘海老、シロエビ、寒ブリ、バイ貝、ホタルイカ、ズワイガニが育ちます。また、小魚の種類も豊富で、深い雪の下から芽吹く山菜は精神的な薬膳と言えるでしょう。 自然の味が濃く凝縮した素材には、流行りの淡麗辛口は役不足です。美味しい満寿泉は、綺麗であるだけでなく、味わい深さを持っています。このようにして、桝田酒造店は素材を大切にし、美味しい日本酒を磨いています。