1752年(宝暦二年)の創業以来、大七酒造は日本酒の最も正統且つ伝統的な醸造法である「生?造り」一筋に、豊潤な美酒を醸し続けてきました。伊勢国より二本松に来住して始まった大七の歴史は、現当主で十代目を数えます。近年では食事の中で活きる日本酒の美質を備えた味わいで、国内はもとより、世界から高い評価を得ながら、新たなる名酒の歴史を刻み続けています。
日本酒について語るという時「この酒は酒造りに最高の原料である山田錦を○%まで磨きました」といっても酒について何ら語ったことにはなりません。原料の葡萄に由来する成分でほとんど味わいが決まるワインとは異なり、日本酒の場合、原料のみで味わいが決定されることは決してなく、本来、造り手自身に委ねられた自由の割合が大きいのです。言い換えれば“どのようなスタイルをこの酒に与えようとしたか”を語ることが一番重要であり、造り手の思いを集約したものが日本酒なのでしょう。
大七が大切にするのは、醸造酒としての普遍的な価値です。
味わい深さ、力強さと洗練との両立
時間とともに成長する酒であること
人の手と叡智を結集した酒であること
最も日本酒らしく、そして世界の醸造酒と共通の価値観を持っている“生?造り”で、日本酒を世界に発信したいと思います。
二本松市は、東は阿武隈山地から、西は安達太良山にまたがる、東西に細長い形をしています。東部は古い地質年代につくられた花崗岩層のなだらかな丘陵、西部は新しい地質年代に火山活動によってつくられた険しい火山地であり、中央部を阿武隈川が流れます。山と丘陵が多く、市内の標高差は1500m以上。地層の隆起運動と火山活動によって、複雑で変化に富んだ美しい自然景観が生み出されています。安達太良山の周辺には、岳温泉をはじめ多くの温泉があり、また山麓部からは良質の地下水が豊富に湧出しています。 冬季は寒冷ながら、南北に連なる連峰が冬の季節風に対して屏風の役割を果たすことから、二本松における降雪は比較的少ないと言えます。初夏の頃に日較差が大きい内陸型の気候です。東北の中では夏の雷が比較的多発する地帯です。
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