百歳

ひゃくさい

茨城県 吉久保酒造

茨城県水戸市本町3丁目9-5

創業二百余歳

この印籠が目に入らぬか!おなじみ黄門様(天下の副将軍・水戸光圀公)の有名なセリフ。寛政二年(1790年)そのお膝元である水戸穀町(現在の本町3丁目)で米穀をあきなう豪商の主、吉久保清三郎が酒造りのうぶ声を上げました。名づけて吉久保酒造。やがて徳川家御用達の命を受け、その名は水戸近隣に響きわたり、中でも文武に秀でた儒学者、藤田東湖先生をはじめ、多くの藩士のごひいきにあずかったということです。

水の都

水戸を中心とする常陸の国は、米をはじめ五穀を育む豊穣な土地として知られ、肥沃な水がそそがれる大海原は、様々な魚をひき寄せる一大漁場として活気に満ちています。陸と海の幸がつくる味覚をさらにおいしくひきたてるもの、それは日本酒であることは言うまでもありません。水戸とは、その名の通り水の都。吉久保酒造が造る酒「百歳」は水戸の小高い丘に発する笠原水源にあります。ご神木の根元を通して、こんこんと沸きでる水を汲み上げては、仕込みの水として使ってきました。

百歳、その味わい

良き米と水、良き杜氏と共に、酒造りに熱意を燃やす若手蔵人に、恵まれて生れた「百歳」は、その名の通り長寿を意味するめでたい酒として多くの人に愛されています。自然が本来もつ米の香りと旨みがつくる味わいを損なうことなく、ていねいに造り上げた酒です。それは、はやりの吟醸の香りにおもねることなく、水と米が自然に醸しだす、辛口といえども単に辛くない、これこそ旨口とでも言えるだろう、あきのこない本来の酒の味覚なのです。冷やで良し、燗で良し、しみじみと体にしみいる酒です。

常陸の風物・文化

水戸は四季折々の自然、そこに生れた文化を楽しむことができる常陸の拠点です。春は水戸の偕楽園で梅を愛で、夏は袋田の豪壮な滝しぶきに打たれ、秋はさんまの水揚げで賑わう市場を楽しむ。さらに冬はあんこう鍋を囲み、酒とともにその美味に酔うことが喜びというもの。また陶芸の里、笠間には、折々食器や盃を求める人で賑わいを見せています。またかつて日本画の拠点であった岡倉天心先生の五浦(いずら)の六角堂、また美術館には日本画の横山大観、菱田春草など蒼々たる巨匠の作品が飾られていて常陸の国の奥深さを感じるでしょう。

        

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