今田酒造本店の歴史

明治元年(1868年)創業。 今田酒造本店のある安芸津町は古くより杜氏の郷として知られ、酒都と呼ばれる西条の酒蔵をはじめ、全国へたくさんの杜氏や蔵人が出かけていきました。 広島県の酒造りの歴史は古く、天正年間(1573年)ころに遡ります。 近代のような発展を遂げたのは明治28年の日清戦争以後、広島杜氏の里である安芸津町の醸造家三浦仙三郎(1847~1908年)によって軟水醸造法が確立されたことによります。 仙三郎は第1回全国清酒品評会の審査員をつとめ、杜氏の育成に力を注ぎました。その結果、広島の酒が上位を独占。吟醸酒が広島で生まれたとされる理由はここにあります。 ちなみに『富久長』の酒銘も三浦翁による命名です。

復活を遂げた酒米、在来品種の八反草

広島の酒造好適米には雄町系、山田錦系、八反系と3つの系統がありますが、 広島で生まれ、育種されてきたオリジナルの系統が「八反錦」「八反」などといったお米で知られる八反系統です。 その八反系統のルーツ、広島酒米のルーツこそが現在では全く栽培されることのなった「八反草」なのです。 幻となった「八反草」とはどんなお米だったのか。 幻の「八反草」の酒が飲みたいという思いから富久長の「八反草」栽培はスタートし、毎年その個性を余すところなく引き出そうと試行錯誤を繰り返しています。昔の田園風景を思い起こさせる素朴で温かみのあるやわらかな味わいと、心地よい余韻を残しながら、軽やかに喉を落ちていくキレ味を両立させてくれる、それが富久長の八反草です。

富久長の挑戦

「八反草」による酒造りの他にも、今田本家ではさまざまな取り組みを進めています。 2013年、富久長は高温糖化と古来伝統の生もと系酒母を組み合わせたハイブリッド酒母を編み出しました。この新しい技術に磨きをかけ、富久長が復活栽培を遂げた八反草らしさを最大限に引き出したのが、ハイブリッド生もとです。八反草の繊細な個性や吟醸酒ならではのきれいな香りはそのままに、複雑で奥深い味わいをめざしました。旨味ののった味わいは、冷たい温度から常温まで幅広い温度帯でお楽しみいただけます。また、株式会社サタケの新型精米機により、米を球形に磨く従来型から、玄米と同じ形に磨く原形精米と扁平精米(真吟)を用いることで、精米60%で従来型の精米40%と同じたんぱく質の削減率を実現しました。

代表取締役・杜氏

代表取締役・杜氏の今田美穂さんは、今田酒造本店の長女として生まれ、明治大学卒業後、日本能楽芸術振興会・橋の会を経て1994年今田酒造本店に入社する。在来品種・八反草の復活栽培のほか、白麹を使った酒造りの開発など、伝統と革新の酒造りを追求。2019年公開されたドキュメンタリー映画『KAMPAI! 日本酒に恋した女たち』に出演。2020年、英国BBCが選ぶ世界に影響を与えた『100人の女性』に日本人として唯一選出される。

シン・ロゴマーク

富久長のロゴマークは、酒蔵のある三津湾から望む島なみがモチーフです。おおらかでどこか懐かしさを感じるシルエットには、穏やかな海と吹き渡る風、また発酵のバイオリズムのイメージも込めています。三浦仙三郎の軟水醸造法の発明によって吟醸酒の里となった安芸津町三津。そのため広島杜氏は古くは三津杜氏と呼ばれ、杜氏の里としても知られています。3つの島は、古くから縁起のよい数字とされる「三」、富久長に縁のある「三」も表しています。

        

今田酒造本店

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