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最近、ワインを思わせる様な甘酸っぱい日本酒や、酸味の高い日本酒などが増えてきてますよね。今回はキーワード「酸」について、スポットを当てていきたいと思います♪

そもそも酸って必要なの?

日本酒造りは発酵タンクを密封しない状態で造るので、様々な微生物(雑菌)が入り込み、品質に悪影響を与える可能性があります。悪影響を与える微生物は酸性に弱い為、 タンク内を酸性にすれば、酸性に強い性質をもつ酵母にだけ都合の良い環境となり、アルコール発酵をスムーズに行う事が出来ます。

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タンク内を酸性にしてくれる有機酸

有機酸とは、酸性を示す有機化合物の総称で、酸味を示す物質の一つである他、酸化を防止したり抗菌性も期待される等、機能的性質にも注目されています。下記に挙げた乳酸・リンゴ酸・クエン酸等が該当します。

乳酸


日本酒造りにはかかせない「乳酸」。雑菌の繁殖を防ぎ、酵母を純粋培養する大事な役割を担っています。速醸もとという醸造用乳酸を添加する方法と、生もと、山廃もと等の自然界にある乳酸菌(微生物)を育成して乳酸(物質)を得る方法などがあります。乳酸の多いお酒は、お燗によって美味しさも高まる事が確認されています。

リンゴ酸


林檎から発見された酸。 林檎や葡萄に多く含まれます。近年、リンゴ酸高生産酵母を使用して造ったお酒は増えています。

クエン酸


レモンやオレンジ等の柑橘類や、梅干し等に含まれる酸。本来は黄麹を使用する日本酒ですが、最近は白麹が生成するクエン酸を利用して造ったお酒も増えています。


もうひとつ忘れてはならないのがアミノ酸(*・ω・)ノ

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アミノ酸とは、タンパク質を構成する栄養成分であり人間の身体の構成にもかかせない成分です。玄米中にはタンパク質が7?8%含まれます。日本酒では麹菌が生成するタンパク質分解酵素により、タンパク質がアミノ酸に変換されます。タンパク質は米の外側部分に多くみられる為、米をあまり磨かず仕込む純米酒はアミノ酸が多く、米をたくさん磨いた大吟醸等はアミノ酸が低い傾向になります。

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アミノ酸が高ければ旨味が増し、コク等を感じます。アルギニン、チロシン、セリン、ロイシン、グルタミン酸など日本酒には約20種類ほど含まれています。アミノ酸の多いお酒は、お燗によって美味しさが高まる事が確認されています。

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日本酒の酸度とアミノ酸度

日本酒でみられる酸度とは、有機酸の量を相対的に表した数値です。平均的な酸度は1.0~1.4程度です。 酸度が高ければ濃く、酸度が低ければ淡麗な印象になります。

アミノ酸度とは、名の通りアミノ酸の量を相対的に表した数値です。こちらも平均的な酸度は1.0~1.4程度です。アミノ酸が多ければコクや旨味が感じられ、低ければ淡麗な印象になります。
「酸」で日本酒チョイス、色んな発見がありオススメです♪


        

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